韓国IT:LINE Wowで日本出前市場進出に失敗したネイバーと「優雅な兄弟たち」日本再進出準備中
アンニョンハセヨ、韓国在住エミカです。
韓国といえば、外せないのが出前文化ですよね。
チキンやトッポッキなど注文して家で食べるというのは、韓国ドラマでもよく出てくるあるあるシーンです。
昔は電話で注文するものだったようですがなんでもモバイル化される韓国。
当然出前もアプリで注文です。
出前アプリの種類も豊富で、大手飲食店ですとそれぞれ専用のアプリがありますし、色々な出前業者を一つのアプリで検索して注文できる総合系のアプリですと配達の民族、ヨギヨ、クパンイーツなどなど。
(クパンイーツは今度別途記事にしたいな、めちゃくちゃ後発ですがすんごい頑張っている・・・)
韓国スタートアップ界隈の超有名企業:優雅な兄弟たち(우아한형제들)
その中でも一番有名?といっても過言ではないのが「配達の民族」です!
配達の民族を運営する企業が、韓国の元ユニコーン企業「優雅な兄弟たち(우아한형제들:ウアハンヒョンジェドゥル)」です。
(毎回この会社名日本語で書くときに悩む、翻訳するとややダサいじゃないですか・・w)
韓国ベンチャー企業のブランディングの成功事例、広告の成功事例として度々セミナー等でも取り上げられるため、Kスタートアップ界隈で知らない人はいない企業です。
👆いやほんと、ホームページ見て見てください、世界観最高なんだわ
ちなみになんで元ユニコーンと記載したかというと、最近ドイツのデリバリー企業に買収されると発表されたためです。(しかもそのドイツ企業、なんと韓国でヨギヨも運営しているというね・・)
この内容だけで別記事かけそうなレベルなので一旦割愛します✂︎
ここのCBOが書いた「マーケターの仕事」という本は、韓国のマーケターたちの愛読書です。(私も何回読んだことか・・)
1年でクローズしたLINE Wow
そんな韓国のデリバリー業界の有名企業、実はその昔日本進出に失敗した過去があります。
遡ること6年前、LINEがこんなリリースを出して、デリバリー業界に進出しました。
韓国最大のフードデリバリーアプリを運営するWoowa Brothersとの
共同出資による新会社「LINE Bros.」を設立
LINE株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:森川 亮、以下LINE)は、韓国最大のフードデリバリーアプリ「Baedal Minjok(配達の民族)」を提供するWoowa Brothers Corp.(本社:Songpa-gu,Seoul、代表取締役社長:Bongjin Kim、以下Woowa Brothers)との共同出資による新会社「LINE Bros.株式会社」(2014年5月2日設立、本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:舛田淳、以下、LINE Bros.)を設立し、オンデマンドEC事業に参入いたします。両社は新会社を通じ、今秋より、フードデリバリーサービス「LINE WOW」を東京都渋谷区限定で、ソフトローンチいたします。
(「優雅な兄弟たち」じゃなくて英語でWoowa Brothers Corpって書くとなんかおしゃれやん。)
そう、このWoowa Brothers Corpこそ優雅な兄弟たちのことであり、
つまり優雅な兄弟たちは、単独ではなくLINE(ネイバー)の力を利用しつつ日本への進出を目論んだわけです。
しかしみなさんご存知の通り、いやもしくは知られる間も無くという表現があっているかもしれない、1年という超スピード撤退をしました。
2015年11月にクローズを発表
日本再進出を目論む「優雅な兄弟たち」と「NAVER」の現在
その後2社は日本市場でどうなったのか?それぞれ見ていきたいと思います。
<NAVER>
LINE Wowが撤退した際、ネイバーはその資本の持分を「優雅な兄弟たち」に売却しました。
そしてその後ネイバーは、日本の出前サービス「出前館」への出資を通して日本市場への進出を目論見ます。
2016年10月に出前館へ430億ウォンを投資し、同社の株式20%を取得。
そして今年2020年3月に、出前館の持分40%を追加取得し、投入した金額は約3400億ウォンへ。 莫大なプレミアムを乗せて経営権を手に入れました。
▼参考記事
ネイバーは、日本のLINEが後続サービスとして運営してきた出前サービス「ラインデリマ」と、出前館のサービスを統合する作業に着手しており、日本市場へ静かに再進出を行なってる状況です。
日本のニュースにもなっていますね。
将来的には、出前館IDとLINE IDを統合し、国内月間利用者数8300万人を超えるLINEのコミュニケーション基盤、LINEの強みである、「ID マーケティング」、「位置情報」、AI技術の活用と出前館の加盟店営業力を活かし、デリバリーだけでなく、テイクアウト、イートイン予約、モバイルオーダー、クラウドキッチンなど、飲食店のサービスを網羅的にカバーする「総合フードマーケティングプラットフォーム」を目指す。
☝︎「将来的には、出前館IDとLINE IDを統合」このへんモロですね
<優雅な兄弟たち>
一方の優雅な兄弟たちは、2014年のLINE Wowの後、日本で目立った動きはありませんでした。
が!2020年5月!こんな記事が偶然目に入ったんです、私。
上記の記事はKスタートアップたちがどう日本進出を成功させたか?というテーマでして、スプーンラジオやWantedといったKサービスの日本進出成功事例がまとまっている記事なのですが、一番最後に見逃せない1行が載っていました。
우아한형제들은 일본 배달 시장 진출을 위해 서비스 담당 인력을 채용하고 있다.
訳:優雅な兄弟たちは、日本出前市場進出のためにサービス担当人材を採用中だ。
おおおおお!と私大興奮。(え?
早速採用公式ページにいくと、今もありましたっっ!
해외서비스(일본) 서비스 기획 및 운영 경력직 모집(3년 이상)
海外サービス(日本)サービス企画及び運営キャリア採用(経歴3年以上)
どうでもいいんですが、☝︎このOGPのワーディングセンスが最高すぎて最高です。
訳:※注意※会社で読まないでください。
それでも読みたかったら、スマホを持ってトイレに行ってください。
この遊び心感、優雅な兄弟たちの魅力そのものだなぁとしみじみ。
結構条件厳し目ですが、その分いい経験を積めそうだなと思います本当に。
優遇条件に日本語で意思疎通ができる方、とあるので興味ある方応募してみては。
(まずは韓国勤務、サービスリリース後に日本支社勤務優遇とありますね)
まとめ:2020年、両者が日本市場でバトル開始か?
2014年LINE Wowの際、手を結んでいたネイバーと「優雅な兄弟たち」は、2020年ライバルとして日本市場で戦う可能性が出てきてまいりました。
ネイバー:現地企業への資本投入、出前館+LINEデリマの統合によるユーザー数確保
優雅な兄弟たち:現状詳細は不明ですが、日本サービス担当者の採用を行なっているあたり自社開発のサービスによる進出か(?)
ウーバーイーツ・楽天デリバリーなど日本のデリバリー市場も競合が多く競争が苛烈ですが、Kスタートアップの成功事例に「優雅な兄弟たち」の名前が出てくるようになるのでしょうか?
いつどんな形でサービスがリリースされるのか、今からめちゃくちゃ楽しみです!
読んでいただきありがとうございました。
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以下の記事もどうぞ!
https://www.instagram.com/by.emika/
韓国のスタバのソーシャルディスタンスの徹底ぶりはさすが☕️🇰🇷
— エミカ@韓国で会社員 (@by_emika) 2020年7月5日
営業時間中なのに椅子が机の上に上がってて、なんだ?と思ったら사회적 거리 두기のためこの座席は使用できませんと書いてあった🤭
物理的に席を減らして三密回避!👏#withコロナ #韓国在住 #韓国情報 pic.twitter.com/D59xp41iqV
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